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備忘録:発病へ至るプロセス

備忘録です。

発病のプロセス、なるほどと思いました。

心身の症状を出すことは大事だし、休むことも大事ですね。

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統合失調症を発症する人たちは、ストレスに対する反応をうまく形成できないようである。

通常、私たちの心身は過剰なストレスに対して警告を発し、心身のシステムが修復不可能になる前に休息をとらせるように働く。

しかし統合失調症になる人たちは、何らかの事情で心身の警告をキャッチすることができない。あるいはキャッチしたとしても休息をとるわけにはいかない事情が存在する。

ここでいう警告とは、発熱であったり、あるいはうつ状態であったりと様ざまな形をとる。

しかし、統合失調症になる人々の場合、発病前にはストレスがかかっているはずなのに、これらの心身の症状が現れないことが多いのである。

そして、ストレスがある限界を「突破」してしまったとき、心身はその柔軟性を失い、消耗を回復できなくなってしまう。

このことは木の枝がある程度の歪力をかけても元に戻る柔軟性を持っているが、極度の歪力をかけると裂けて折れてしまうことに似ている。

このときに周りの者が、その人がストレス状態にいることに気がついて、心身を休ませるように促すことができれば、発症のプロセスを止められる可能性がある。


発病する前には、特徴的な「あせり」がある。

彼らは「一念発起」などの観念を抱き、一気に全面的な解決を図ることで、あせりを解消しようとする。コツコツと地味な解決を積み重ねるという方向には目が向かない。

統合失調症へのプロセスを歩む人は、生き方の微細な修正や、やり直しといった「立て直し」の手段を用いようとしない。彼らは失敗や誤算が重なると「あせり」、そこから一気に解決しようとしてうまくいかずに、さらなる「あせり」の状態に向かっていく。


通常、私たちは「ゆとりのある時期」と「無理の状態」のあいだを往き来しながらなんとか日常生活を送っている。

そして、時折「あせりの状態」へと陥るが、多くの人はここで風邪などの病気に罹ったり、不慮の怪我にみまわれたり、あるいは周囲の者が異変に気付いて助けてくれたりと、何らかの要因が働いてこの先のプロセスに進まずに済んでいる。

体の調子が乱れ、頭痛、悪夢などが起こったり、疲労で眠り込んだり、身体の病気になったりすれば、精神の病気にならない。

これは体の最後の警告である。ここで引き返すべきである。たとえ仕事が溜まっていても。

ここから本格的に病気が始まる。


こうして、ストレスが心身の修復力の閾値を突破すると、自己と世界の関係が決定的に崩壊することになる。

この統合失調症へのトリガーとなる「突破」は一回的なものである。このプロセスが始まると後戻りすることはできない。

しかし変化は内的なものであり、周囲の人はそれをつかみづらく、本人も自覚されることは少ない。

「突破」のあと「発病」までのごく短い期間に、苦しい身体症状が消失し、もう治ったと思えるような静けさが訪れる(いつわりの静穏期)。

本人は、まったく眠れないにも関わらずすごく快調を感じる。しかし不眠状態が2~3日続くと「なだれ」のように崩れて発病する。

『中井久夫との対話』村澤真保呂、村澤和多里 著

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