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備忘録:強迫性障害が良くなる過程で起こること。

備忘録


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『強迫性障害が治癒に向かう過程における”患者が見えなくなる時期”』

強迫性障害が治癒に向かう過程は強迫観念が意識の中心から外れてゆく過程ということができるが、

その途中で、必ずと言ってよいほど”患者が見えなくなる時期”があって、

その後に患者は飛躍的に改善した姿で再び現れるという不思議な現象にかねて注意してきた。

実際に、患者は通院をやめ、薬を中断し、旅行に出たりするのであるが、

結局、困って戻ってくるか、あるいは何気ない顔で戻ってくる。

従来、これはアクティング・アウト(行動化ー治療場面で言語化するべき事柄をそれ以外の場で逸脱的な行動によって演じること)としてもっぱら否定的にみられてきたのであるが、

症状を語り、聴かれ、そして若干の問答とともに薬物を処方されるという初期治療のマンネリズム(強迫的同一性)からの離脱としてのプラスの意味も考えられる。

これは治療的に活用できることではなかろうか。

その際、戻ってきた時の迎え方が重要であるらしい。

(大学院生 高宣長らの学位論文についての)

『アリアドネからの糸』中井久夫 著

 

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